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ニビイロ−第七話−

※下に書いてあるのはト書きです。
※アドリブを入れるのは自由ですが、台詞の意味などは変えないでください。
※3番タイムなどに、自分の役の台詞とト書きだけでも良いので、ちゃんとチェックしてから演じてください。
※基本的に、色のついたセルは、ト書きです


ニビ 25歳前後 一応主人公
詳細不明のサイボーグ。(四肢機械)
本人に関する記憶を一切失っている。
ニビの街の工場では、用務員兼事務の手伝い(いわゆる雑用)の仕事をしている。
基本的には、口数は少なく、穏やかな性格をしている。
エンとタタラを穏やかに見守っているようなタイプ。
一度、記憶を完全に失っていて、言語能力などは回復したが、
ツクラレになってから成長したとして、小学校中学年程度の精神年齢。
外見は大人ではあるが、『子供』のようなもの。
エン 20歳前後 「ハコビ/ソラ」の一族の一人
ハコビの頭領の息子。
へヴィスモーカーでドライなようで結構熱血(?)タタラとは家が近所で、幼馴染。
エアフォークで物資を運んで空を飛び回る。
タタラとはよくからかい合う仲ではあるが、若干タタラの兄のような表情を見せることもある。
タタラ 20歳前後 「ホムラ」の一族の一人
ホムラの頭領の娘。
女伊達等に鍛冶場で働いている。
口調が男っぽいだけで、中身は列記とした女である。
基本的男らしさを意識した感じで喋る。
※できれば、かわいさを取っ払ってください。
 イメージ的には、もののけ姫のサンが近いかも?
フイゴ 40代後半〜50代 「ホムラ」の一族の長
タタラの実父。粗野な言葉遣いや態度ではあるが、家族思いでのんびり者である。
大所帯のホムラ一族を纏め上げる男。人間ではないような巨体。
だが、担当する仕事はロウ付け。(本人曰く「隠居」)
ヨク 40代後半〜50代 「ハコビ/ソラ」一族の長
エンの父親。フイゴとは幼馴染で、よく似た性格をしてはいるが、
ヨクのほうがかなり短気であり、頑固で喧嘩っ早い。
工場内に響くような怒声でよくエンたちを怒っている。
ホムラ1 ホムラ一族
(ホムラ1はフイゴ・ホムラ2はヨクと被りでお願いします)
ホムラ2
おばちゃん ニビの家の近くでいつも店を出しているおばちゃん。
ニビのお母さん的存在。
謎の少女 ニビの夢に頻繁に出てくる少女5〜6歳ぐらい。
(タタラと被りでお願いします)
ナレ





時代・世界観
舞台背景など
高度科学(高度工学?)と魔法がまだ共存している時代。
舞台となる、工業都市・ニビは、世界でも有数の工業都市。
そこで作られるものは、高評価を得ていた。

その街で暮らすものたちは、ほとんどの職業ごとに、一族に分かれている。
ホムラ一族 フイゴ率いる炎の一族。
炎を扱う事に長けており、またそれを生業とする一族。
フイゴの娘、タタラが頭領代理。
ハコビ/ソラ一族 ヨク率いる空の一族。
風を読む事に長けている。空輸、または運搬艇を使った資材運びを
生業としている。
ヨクの息子、エンは、若手のまとめ役。
タテシ一族 ゲンコの一族。
大工仕事や建設、いわゆる「建てる事」を生業とする一族。
ゲンコは、この中でも期待されている若手。
ソラフネ 飛行機のようなもの。空を飛ぶ船。
ニビの街では、これや準ずる物を盛んに作っている。
兵器等を積み込んだ"戦艦”も作られる。
ソライス
(エアースクーター)
ソラフネと同じ構造で、空を走る。
見た目はバイクのタイヤが無いバージョンみたいなもの。
エンもよく乗っている。
ツクラレ いわゆるサイボーグ。
四肢を亡くした者は、その代わりに機械義肢をつけられるが、
痛みを取り払い、すぐに機械義肢を元の身体のように動かせる代償として、記憶を奪う。







ナレ 「工業都市ニビの街、いつもと変わらない一日。
 動き続ける工場、働き続ける人々。
 消える事のない明かり…それは、いつもと変わらない風景。
 だが、そんな中でも、密かに近づいてきている戦禍の足音。
 それに気づかぬほど、この街のものたちも、馬鹿ではない」
(工場の天辺)
ナレ 「工場の天辺、いつものように3人の姿があった。
 今の時間は昼休み。
 エンとタタラには明らかに、疲労の色が見えている。
 そして、タタラは死んだようにグッスリと深い眠りについていた。
 もはや、この昼休みが、彼女の貴重な『休息』時間となりつつあった」
ニビ 「…タタラ、また泊り込み?」
自分の隣に居るエンより、少し離れた所で横になっているタタラを見ながら、心配そうに。
エン 「……しょうがねぇよ。なんせ、モノがモノだからなぁ。
 俺もタタラも休み返上でぶっ通しだぜ?…俺は男だから別にいいけどよぉ」
ニビ 「…タタラも、もう限界じゃないの?」
エン 「あぁ…ったく、上も人使い荒いのな…」
エンもここ何週間か、休みをまったく取っていない。
ニビ 「ロギザとアセキハ、本当に戦争するのかなぁ」
未だにニビは、国際情勢についてはほとんどわかって居ない。
エン 「あぁ、間違いないだろうな…前の戦争は、リューモウが一方的に起こした戦争だった。
 だけど今は違う…ロギザとアセキハが拗れたんだよ」
ニビ 「拗れたって?」
エン 「だから…もともと、北のロギザと東のアセキハ、西のリューモウがでかい国だって言われてただろ?」
ニビ 「うん」
エン 「だが、アセキハが権力に物言わせてロギザに侵攻して、それに対してロギザが武力で制圧して、
 ロギザってのはまぁ、他の衛星国家の集まりみたいなもんだからな、それに被害がいってだな。
 便乗したリューモウも、ロギザをだなぁ…」
えらそうな口ぶりで説明しているが、実はエンも父親に聞いたことばっかりで、本当はよくわかって居ないと言うのが真実。
ニビ 「……わかんないや」
エン 「だーかーらー…!」
タタラ 「例えば、ニビが飴をたくさん持っていたとしよう。
 だが、更にお菓子をたくさん持っているエンがもっと飴が欲しいからって、ニビに『よこせ!』と詰め寄ったらどうする」
どうやら、眠っていたようで二人の話を途中からでも聞いていたようで、エンに助け舟を出す。
ニビ 「…ちょっとやだ」
タタラ 「だろう?で、そこに私も便乗して、『その飴よこせ!』って言ったらどうする?」
ニビ 「…」
敢えて答えは言わない…と、言うよりも考え込んでいる。
タタラ 「…つまり、そういう事だよ。ニビ…」
ニビ 「そう言う事なのかぁ…喧嘩する前に、分ける方法ってあるはずだよ?」
解ったような、解らないような微妙な反応。
タタラ 「…そういうことができない奴らが、喧嘩する…それが前の戦争だ」
ニビ 「…ふーん」
エン 「タタラ、サンキュー…」
タタラ 「…と…言うわけだ…」
また再び眠りにつく。
 
ナレ 「三人が話している間、工場内の休憩棟。
 そこは、泊り込みで作業をする者達の寝床。
 一室一室、小さいものの生活に必要な物はついていると言う、寮のようなものだ」
ナレ 「その中の、一部屋…そこは、フイゴの部屋である。
 その部屋に、一人の男が尋ねてくる」
ヨク 「入るぜ?」
フイゴ 「あぁ、ヨクか。まぁ、入れ…」
扉を開けて中に入ってきて、いすに腰掛けるヨク。
寝台からゆっくりと身を起こして座るフイゴ。
ヨク 「なんだぁ、寝てたのか。すまねぇな」
フイゴ 「いや…なぁに、仮眠ってとこよ…熟睡しちまって休んじまったら、タタラに申し訳がたたねぇだろ」
ヨク 「まぁ、タタラもよくやってるなぁ」
フイゴ 「エンこそ…おめぇの変わりに今じゃぁソラの若い衆仕切ってるじゃねぇか」
ヨク 「ハハッ…まぁ、お互い、年食ったって話しだなぁ」
フイゴ 「そりゃぁそうだろう…あれからもう十…何年だろうなぁ」
ヨク 「……長かったのか、短かったのか…」
フイゴ 「アセキハがよう、またソラフネ発注して来たらしいぜ」
ヨク 「……たまにゃ一族の若いもんに任して、タタラを休ませてやっちゃぁどうだ。
 あれじゃぁ、いくらなんでも憐れってもんだろう…年頃の娘じゃねぇか」
フイゴ 「アレにはアレの事情がある……そのうち、気が済んだら自分で休むだろうさ」
ヨク 「…おめぇがそう言うんだったら、俺は何も言えねぇよ」
二人、タバコに火を点け、一息つく。
ヨク 「エンとニビをよ、今度、ドギルに行かせる事にした」
ドギル…西のほうにある、軍事大国。
フイゴ 「二人だけでか…大丈夫か?」
ヨク 「なぁに、心配いらねぇさ。そこでヘマするような息子に育てた覚えはねぇからなぁ。
 まぁ…もうすぐあの日が来る。それに合わせて、エンにはドギルに兵器を空輸…
 そのついでにニビにはその隣国のツギルに、医療物資の受け取りを任した」
ツギル…ドギルの近くにある、医療先進国。
フイゴ 「そりゃぁまぁ…懸命な事だな」
ヨク 「その時、あいつ等はここに居ちゃぁいけねぇ…本来なら、タタラも一緒に行かせてぇところだが…」
フイゴ 「なんと言おうが、あいつは炉の前を動かねぇだろうさ。あいつは母ちゃんに似て、頑固だ。一度決めたら頑として曲げねぇ」
ヨク 「フッ…そりゃぁおめぇにも似たんだろ、フイゴよ」
フイゴ 「まぁ、そうかもしんねぇなぁ」
ナレ 「男たち二人は、深いため息を吐く。
 戦争が来る…その事は、火を見るより明らかなことだ。
 …だが、その前に、彼らにとって根深い傷を残す出来事…そう、先の戦争の事が、二人に圧し掛かっていた」
 
 第一製鉄所
日付が変わってしばらくしたこの時間でも、いつもの何倍ものホムラ一族が製鉄作業に追われている。
その一番奥の炉の前、タタラは一人で黙々と鉄を打っている。
エン 「おい、タタラ」
タタラ 「……」
黙って鉄を打ち続ける。
エン 「帰るぞ。今日は帰って寝たほうが良いって、他の奴らも言ってたぞ?」
タタラ 「いや……私は、良い……ここで鉄を打つ…」
エン 「……タタラ、帰るぞ」
タタラ 「……」
エン 「いいから、帰るぞ!」
タタラの肩をつかむ。
タタラ 「嫌だ!」
エンの手を乱暴に振り払う。
エン 「…!」
タタラ 「すまない…心配してくれたんだ…ありがとう。
 だけど…私は、ここで鉄を打つことしかできない…。それしかないんだ…私にできる事は…だから…」
タタラの心の中には、深い傷がある。
心なしか、最後のほう涙声。
エン 「馬鹿!!心配してんのは俺だけじゃねぇっつの!」
タタラ 「…解ってる」
エン 「解ってねー!!」
タタラ 「……」
エン 「そりゃぁ、お前の気持ちも解るけどよ…それはお前の仕事じゃねぇだろ?!」
タタラ 「違う、これは私の仕事だ…!私がやらなければならない…!!」
そう言って振り向いたタタラの目には、涙が浮かんでいる。
エン 「お前がいくら一人でやったって、何の解決にもならねぇだろうが!それを一番知ってるのはお前じゃないのか?!」
タタラ 「……エン、お願いだ…。 後生だから私をここに放っといてくれ……」
エン 「タタラ…」
タタラ 「じゃないと…私は…っ」
そうタタラが言いかけた所で、エンは甲部に宝珠の付いたグローブをはめた右手をタタラの顔の上に翳す。
エン 「我等を守りし偉大なる風の神よ。彼の者に安息と深遠なる眠りを与え給え…」
ソラに伝わる催眠(単に眠らせるだけ)の呪文。元々は、極端に寝つきの悪い子供などに使われる子守用の呪文である。
タタラ 「あ…」
ナレ 「エンが、とある古い呪文…ソラの一族に伝わる呪文を唱えると、タタラはその場で深い眠りについた。
 倒れる間際で受け止めて背負うと、エンは出口に向かって歩き出した」
それを見て、ホムラ一族の何人かが駆け寄ってくる。
ホムラ1 「エン、タタラを頼んだぜ?」
エン 「あぁ、家まで送って寝かしてくるさ…」
ホムラ2 「タタラ嬢ちゃん……悪く思わねぇでくれよ…」
実を言えば、これは昼夜問わず、休みを取らず働き続けるタタラを見兼ねたホムラの者達が、エンに頼んだ事。
だが、エンは、最初から、そうするつもりだった。
 
ナレ 「再び、休息棟のフイゴの部屋。
 二人の男は、まだ向かい合ったまま、話が終わって居ない」
ヨク 「おめぇの心配してるこたぁ解るがよ。
 先の戦争じゃぁ、ホムラもソラもひでぇ状態だった…おめぇが怖がってるのはそれだろう?フイゴよ」
フイゴ 「……」
二人とも幼馴染だが、フイゴはかなりヨクよりのんびり者。
ヨク 「だが、見てみろ…前の戦争で、何人も死んだ…にも関わらず、この街はちゃんと動いてる」
フイゴ 「俺が言いてぇのは、そういうことじゃねぇ!!」
ヨク 「…」
フイゴ 「……なぁ、ヨクよ。あの戦争で、エータもフウも死んじまった。俺の子供らだって…
 また戦争が起きちまったら、今度はエンもタタラも…ニビも死んじまうかもしれねぇだろ!!」
ヨク 「……エータとフウの事は言ってくれるな……」
エータとフウ…エンの兄と姉の名前。
二人ともかなり無残な死に方をした。
フイゴ 「……悪い」
ヨク 「……俺も言い過ぎた…だがよ…」
フイゴ 「俺らも、年を食ったなぁ…ヨク」 やけにしみじみと。
ヨク 「…まぁなぁ」
フイゴ 「…どうなるかは…運次第…だ…」
ナレ 「二人の間に沈黙が流れる。
 水流動力の時計の中の瓶が、コポコポと小さな音を立てた。
 その音は、いつもなら微かな音のはず…今の二人には、少し大きな音に聞こえた」
 
帰り道、深い眠りに落ちたタタラを背負ったエンがソライスをホムラ一族の住む集落に向けて走らせている
エン
(心の声)
『…タタラ、ごめんな…だけど、俺にはそういう風にしかできねぇんだ…
 あれ以来……お前は変わっちまって…』
エン 「なぁ、タタラ……もうすぐあの日がくるな」
 
ナレ 「街の通りを、ニビが帰りの道を急いでいた。
 通りは出店や、帰りを急いだり、今から働きに出る者達で賑わっている」
おばちゃん 「ニビ、今の帰りかい?」
ニビの部屋がある建物の階段の横、いつものように「あの」おばちゃんが出店に立っている。
ニビ 「あ、おばちゃん。ただいま」
おばちゃん 「おかえり。ほら、夕飯。今日は牛の筋の煮込みスープ…ちゃんと暖めてから食べるんだよ?」
バケツ…と言うよりも飯盒に似た、とってのついた入れ物と、パンに似た物を包んだをニビに手渡す。
ニビの夕飯は、このおばちゃんの好意で賄われている。
ニビ 「うん、ありがとう!」
階段を上る。
おばちゃん 「ちゃんとよく噛んで食べなよー!」
 
ナレ 「ニビの部屋。
 ニビがツクラレになってしばらくしてからは、ここで暮らしている。
 生活に必要な物は整っているが、至って質素な部屋である。
 食事が終わったニビは、椅子に腰掛けてテーブルにうつ伏したまま、ウトウトとまどろんでいた。」
部屋の構造的には、やたら広い1Rみたいな感じ。(少なくとも10畳はありそうな感じ)
少女 『………』
すすり泣く声だけがどこからともなく響いている。
ニビ
(心の声)
『誰…?』
少女 『…大丈夫だよ、もう…大丈夫だから…』
以下演技泣きながら。
ニビ
(心の声)
『誰…なの…?』
意識は半分ぐらい覚醒しているが、体は動かない。
少女 『…もうすぐだよ…もうすぐ…』
その声は、消えていく。
ニビ 「待って!」
立ち上がり、ふと我に帰ってあたりを見回すが、誰も居ない。
部屋に居るのは、自分ひとりだけ。
ニビ 「……誰なんだ、君は…」
ナレ 「ニビの耳に残っているのは、少女のすすり泣く声。
 …その少女の正体を知るのは、まだ先の事…」

















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