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ニビイロ−第五話−



※下に書いてあるのはト書きです。
※アドリブを入れるのは自由ですが、台詞の意味などは変えないでください。
※3番タイムなどに、自分の役の台詞とト書きだけでも良いので、ちゃんとチェックしてから演じてください。
※基本的に、色のついたセルは、ト書きです


ニビ 25歳前後 一応主人公
詳細不明のサイボーグ。(四肢機械)
本人に関する記憶を一切失っている。
ニビの街の工場では、用務員兼事務の手伝い(いわゆる雑用)の仕事をしている。
基本的には、口数は少なく、穏やかな性格をしている。
エンとタタラを穏やかに見守っているようなタイプ。
今回、ほとんど台詞が無いので、ナレと被りでも可。
エン 20歳前後 「ハコビ/ソラ」の一族の一人
ハコビの頭領の息子。
へヴィスモーカーでドライなようで結構熱血(?)タタラとは家が近所で、幼馴染。
エアフォークで物資を運んで空を飛び回る。
タタラとはよくからかい合う仲ではあるが、若干タタラの兄のような表情を見せることもある。
タタラ 20歳前後 「ホムラ」の一族の一人
ホムラの頭領の娘。
女伊達等に鍛冶場で働いている。
口調が男っぽいだけで、中身は列記とした女である。
基本的男らしさを意識した感じで喋る。
※できれば、かわいさを取っ払ってください。
 イメージ的には、もののけ姫のサンが近いかも?
フイゴ 40代後半〜50代 「ホムラ」の一族の長
タタラの実父。粗野な言葉遣いや態度ではあるが、家族思いでのんびり者である。
大所帯のホムラ一族を纏め上げる男。人間ではないような巨体。
だが、担当する仕事はロウ付け。(本人曰く「隠居」)
ヨク 40代後半〜50代 「ハコビ/ソラ」一族の長
エンの父親。フイゴとは幼馴染で、よく似た性格をしてはいるが、
ヨクのほうがかなり短気であり、頑固で喧嘩っ早い。
工場内に響くような怒声でよくエンたちを怒っている。
ミナワ
(ヒナギク)
両脚がツクラレ。
色街にある名店『サク屋』でも人気がある遊女だった。
だが、記憶が戻ってからは、部屋から一歩も出て居ない状態。
透き通るような声でお願いします。
  
オサメ1 ニビの上司。
(フイゴと被りでお願いします)
ポン引き 胡散臭い感じのおっさん。右手がツクラレ。
(ヨクと被りでお願いします)
ナレ





時代・世界観
舞台背景など
高度科学(高度工学?)と魔法がまだ共存している時代。
舞台となる、工業都市・ニビは、世界でも有数の工業都市。
そこで作られるものは、高評価を得ていた。

その街で暮らすものたちは、ほとんどの職業ごとに、一族に分かれている。
ホムラ一族 フイゴ率いる炎の一族。
炎を扱う事に長けており、またそれを生業とする一族。
フイゴの娘、タタラが頭領代理。
ハコビ/ソラ一族 ヨク率いる空の一族。
風を読む事に長けている。空輸、または運搬艇を使った資材運びを
生業としている。
ヨクの息子、エンは、若手のまとめ役。
タテシ一族 ゲンコの一族。
大工仕事や建設、いわゆる「建てる事」を生業とする一族。
ゲンコは、この中でも期待されている若手。
ソラフネ 飛行機のようなもの。空を飛ぶ船。
ニビの街では、これや準ずる物を盛んに作っている。
兵器等を積み込んだ"戦艦”も作られる。
ソライス
(エアースクーター)
ソラフネと同じ構造で、空を走る。
見た目はバイクのタイヤが無いバージョンみたいなもの。
エンもよく乗っている。
ツクラレ いわゆるサイボーグ。
四肢を亡くした者は、その代わりに機械義肢をつけられるが、
痛みを取り払い、すぐに機械義肢を元の身体のように動かせる代償として、記憶を奪う。







オサメ1 「ニビ、この仕事を頼めるか」
広い部屋、机を隔てて、ニビに書類を渡す。
ニビ 「…はい!」
ナレ 「工業都市ニビの街。
 その街の中心にある巨大な工場。
 それがこの街の象徴であり、街に暮らすほとんどの人々の仕事場だ。
 その一角にある建物、そこがニビの新しい職場…こちらの世界で言う、役所である」
ニビ 「…これは…?」
手渡された書類は分厚い。
チラッとめくると、人物のデータが書かれている。
オサメ1 「ツクラレのリストだ」
ニビ 「…」
オサメ1 「……それの一人」
リストの中の一枚に、付箋が貼られている。
ニビ 「……」
ページには、美しい娘の写真が貼られており、「ミナワ」と言う名が記されていた。
そこには、いろいろと、彼女のデータが書き込まれており、「ミナモ一族」と言うことが記されている。
オサメ1 「彼女の記憶が、戻ったと言う。今の所在は、そこに書いてある」
ニビ 「僕は何をすれば…」
オサメ1 「…彼女の話を聞いてくる…と言うのが、今回の仕事だ。
 今後、どうやって暮らしていくか。そのままなのか、実家に戻るのか」
ニビ 「……はい」

ニビの街の外れの一角。
そこは、所謂『色街』であり、華やかではあるが、言ってしまえばけばけばしい。
客引きの男や女の声。客と連れ立って歩く遊女などの姿がある。
その中、ニビは詳しい住所の書かれた紙を見ながら一人とぼとぼと歩いている。
ポン引き 「やぁっ、お兄さん、いい子入ってるよ〜。
 なんだい、若いのにこんな時間からぁ、さては今日は仕事休みかねっ!
 それだったら…」
ニビが相手にしていないにも関わらず、近づいてきて、ニビを店に誘い込もうとしている。
ニビ 「…すいません、仕事なんです」
色街に足を踏み入れたのが初めてなので、こういうの勝手がわからず、戸惑っている。
ポン引き 「仕事…ってーと?」
ニビ 「…この人を探しているんです。」
カバンの中から、あの後渡されたもう一枚の「ミナワ」の写真を出しポン引きに見せる。
ポン引き 「こりゃぁ…あぁあぁあぁ」
どうやら思い当たる人物が居るらしく、一人で勝手にうなずいている。
ニビ 「ご存知ですか?」
ポン引き 「この奥にあるサク屋ってぇ店に居るヒナギクちゃんじゃねぇか」
ニビ 「…ヒナギク…」
ポン引き 「本当に人気がある子だよぉ?気立てもよくて、なんたって愛嬌がある。
 こんなに綺麗なのにきどらねぇしなぁ。まだ若いのに、客のあしらいもうめぇときたら誰もほっとかねぇよぉ」
ニビ 「……」
やっぱり自分の知らない世界なので、ちょっと戸惑っている。
ポン引き 「うちにもあんな子が居たらなぁ、もうちょっと俺の給料も……と、そういやぁ、最近見ねぇけどなぁ…」
ぶつくさ。どうやら一人ごとが癖のようである。
ニビ 「ありがとうございます。この先ですね」
ポン引きを振り切るように歩き出す。しかし、丁寧な対応。

ナレ 「工場のてっぺん。
 そこにはいつものように、エンとタタラの姿がある。
 昼食時、今日はフイゴとヨクも一緒だ」
タタラ 「…ニビは今日はどこに行ったんだ」
エン 「なんか色街らしいぞ」
タタラ 「…色街…」
タタラも、一応女性。
何をするところかは知っては居るが、何故か顔を赤らめている。
ヨク 「色街…か」
フイゴ 「…あぁ、色街だ」
タタラ 「だが、何をしに…」
ヨク 「エンよ、遊ぶなら今のうちに遊んどけよ。
 年がいってから遊びに狂うと始末に終えねぇ」
フイゴ 「まぁなぁ、俺らも若いころにはいろいろ遊んだもんだしなぁ」
親父ども二人は何故かうなずいている。
エン 「なんの話だよ…」
うなずく親父どもの話にちょっとおいていかれ気味。
しかし、エンは遊ぶには遊ぶが、あんまりその手の遊びには興味はないようだ。
ヨク 「オコウ屋のカスガ…綺麗だったなぁ」 二人とも遠い目をしている。
フイゴ 「あぁ、ありゃぁいい女だったぁ」
タタラ 「親父殿たち…」
ヨク 「知ってたかぁ、フイゴよぉ。カスガは俺に惚れてたんだぜぇ」
フイゴ 「いーや、俺に惚れてたね」
ヨク 「なに言ってやがる、『ヨクさんだけよ』って言ってた。むしろ所帯を持つことさえ約束してたんだぜぇ。
 俺とカスガは」
カスガの台詞は、微妙に物まね入る。
フイゴ 「俺のためならアシ抜けしても良いって、アイツは言ってたぜ。
 殺されたとしても、フイさんと一緒に居たいってなぁ」
エン 「……タタラァ」 二人とも、まじめにしょうもないことで
喧嘩している父親たちを見てあきれている。
だが、これも結構いつもの事。
タタラ 「母様たちが居るくせに…まったく」
エン 「…あぁ…」
ヨク 「俺に惚れてたんだよ!カスガは!」
フイゴ 「だから、俺だって言ってんだろうがあぁぁぁ!!」

ナレ 「サク屋の一角。ヒナギクに当てられた部屋。
 ヒナギクは、美しい娘だった。
 透き通るような白い肌に、水底のように澄んだ青い瞳に、長い黒髪。
 だが、精気を失ったかのように壁に寄りかかったまま呆然と座っている。
 彼女のそばには、つけられていた筈の機械の両脚が転がっている」
ニビ 「…ヒナギクさんですね」
店の中は、女たちの嬌声や楽器の音、男女の笑い声などが響いている。
この部屋だけが、不自然なくらいに静か。
ヒナギク 「………それは、私の名前じゃないわ」
ニビ 「…」
ヒナギク 「私の名前は……ミナワ…。ミナモ一族……の娘」
※今後の台詞は「ミナワ」の部分を読んでください。
ニビ 「………思い出されたんですね?」
ミナワ 「………」
布を顔にあて、何度も頷く。
ニビ 「…どうなさいますか?おうちに戻ると言うことも……可能ですが」
ミナワ 「兄様…兄様…何故ミナワだけが……」
ミナワは、実の兄と恋愛関係に陥っていた。
が、両親や一族の知るところとなってしまい、二人で心中しようと崖から飛び降りたが、
結局はミナワが崖の段差に引っかかり、ミナワの兄だけが死んでしまった。
その際、ミナワは脚を砕いてしまい、ツクラレとなった。
ニビ 「……」
ミナワ 「…兄様……」
ニビ 「おうちに戻られますか?」
ミナワ 「………」
布を顔に当てたまま、何度も首を横に振る。
ニビ 「ミナワさん……」
ミナワ 「きっと、父様(とうさま)も母様(かあさま)も許してくれない……」
ニビ 「……」
ミナワ 「私が戻ったって…きっと…兄様ぁ…」
再び泣き崩れ、もう、ニビが居る事さえ忘れているようだ。
ニビ
(心の声)
『僕は記憶がほしい。
 記憶を手に入れたら、きっと楽しくて、もっと世界が素敵に見えると思っていた。
 なのに……どうして、この人は泣いているのだろう。
 僕は、ただうつむくことしか出来なかった』










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