ニビイロ−番外編二話−
題『黄泉カエレ』

※下に書いてあるのはト書きです。
※アドリブを入れるのは自由ですが、台詞の意味などは変えないでください。
※3番タイムなどに、自分の役の台詞とト書きだけでも良いので、ちゃんとチェックしてから演じてください。
 今回は、カオス台本ですので、入れるアドリブを練ったりしても良いかも知れませんね。
※基本的に、色のついたセルは、ト書きです



とりあえず、演者の方々、いろんな意味で御覚悟くださいませ。

※今回は番外編、別名『カオス台本』と言う事で、かなりの電波・キャラ崩壊などが行われております。
  本編とは一切関係ないので、ご注意ください。
本当に、本編ではこの話は出てきません。

 注意2、作者(ニッキー)を知っている方はたぶん、みんなご存知かも知れませんが、
      相当のキン肉マンオタなので、肉ネタの嵐が吹き荒れる事を、ご覚悟ください。

元ネタがある台詞の元ネタは、あえて追求しない方向で。

天上天下君等独尊、アドリブ上等。世露死苦。
スカイラインで箱乗りしながら、口三連を響かすような勢いでお願いします。
(ただし、脱線はダメよv

ニビ 25歳前後 一応主人公
詳細不明のサイボーグ。(四肢機械)
本人に関する記憶を一切失っている。
ニビの街の工場では、用務員兼事務の手伝い(いわゆる雑用)の仕事をしている。
基本的には、口数は少なく、穏やかな性格をしている。
エンとタタラを穏やかに見守っているようなタイプ。
エン 20歳前後 「ハコビ/ソラ」の一族の一人
ハコビの頭領の息子。へヴィスモーカー。
ドライなようで結構熱血(?)タタラとは家が近所で、幼馴染。
エアフォークで物資を運んで空を飛び回る。
タタラとはよくからかい合う仲ではあるが、若干タタラの兄のような表情を見せることもある。
タタラ 20歳前後 「ホムラ」の一族の一人
ホムラの頭領の娘。
女伊達等に鍛冶場で働いている。
口調が男っぽいだけで、中身は列記とした女である。基本的男らしさを意識した感じで喋る。
フイゴ 40代後半〜50代 「ホムラ」の一族の長
タタラの実父。粗野な言葉遣いや態度ではあるが、基本的に家族思いでのんびり者である。
大所帯のホムラ一族を纏め上げる男。人間ではないような巨体。
だが、担当する仕事はロウ付け。(本人曰く「隠居」)
ヨク 40代後半〜50代 「ハコビ/ソラ」一族の長
エンの父親。フイゴとは幼馴染で、よく似た性格をしてはいるが、
ヨクのほうがかなり短気であり、頑固で喧嘩っ早い。
工場内に響くような怒声でよくエンたちを怒っている。
チクロ フイゴの長男。タタラ、イガタ、ヅチの兄。
年齢で言えば高校3年生〜二十歳前後。
いろいろとめんどくさがりでマイペースな性格ではあるが、
ホムラ一族の長男と言う事に誇りと責任を持っており、堅実に物事を考えていた。
が…10数年前に戦争で他界。
イガタ フイゴの次男 タタラとヅチの兄。チクロの弟。
年齢で言えば高校1、2年生ぐらい。
兄弟で一番しっかりしている。(父いわく、性格は母似)
父や兄を支えるような職人になりたいと、日夜努力を続けていた…が、兄と同じく戦争で他界。
エータ エンとフウの兄。中学2、3年生ぐらい。
見た目は、エンの生き写しのようだが、性格はエン以上に活発。
弟と妹を大事にしている。ソラ族の期待の若者であった。
今回はちょっと災難。兄馬鹿炸裂?
フウ エンの姉でエータの妹。13〜14歳。
穏やかで、少々大人しめではあるが、真の強い優しい姉。
ソラ族の中でも、ソラの力を使うのに長けていた。
次期風の巫女候補でもあるぐらいの力と、美貌の持ち主。ちょっと不思議ちゃん。
ママ 三十代 ニビの街・色街で一番人気のオカマバー「月の華」を経営する。
街のオカマ衆のみならず、色街で働く者達から頼られているママ。
たまに男らしい表情を見せる。
元々はハコビ・ソラの人間で本名はリフ。
ミミカ 20代前半のオカマ。
月の華の店員。微妙に不思議ちゃん?
今回、ちょっと生い立ちがわかる。ロリ声時々漢声。

ナレ

ヅチ フイゴの三男、チクロ・イガタの弟、タタラの兄。エータの親友。
ホムラの頭領の息子という名に恥じない実力の持ち主。
性格的には、同級生のエータの前では多少優等生に見えるが、冒険心や好奇心が旺盛な少年だった。
…今回、出るのか?









エン 「ウツです。ニビイロ台本に御アクセス頂き、まことにありがとうございます。
 大変申し訳ございませんが、この話は俺本人が非常に鬱スパイラルの為、上演できません。
 またの御アクセスを…」
某ニコ動の削除された動画のあれみたいに。
ナレ 「エンは今、ニビの街のはずれにある、例のガラクタ置き場に来てしょんぼり座っている。
 その隣でニビは、付き合わされて座っている。と、言うよりも暇つぶしのため座っている。
 今は私たちの世界で言う『お盆休み』の真っ最中なのである」
ニビ 「…エン?!だめだよ!!終わらせちゃ!勝手に終わらせちゃらめぇぇえ!!」
エン 「…だってさ、ニビ、聞いてくれる…?」
若干鼻水垂らす勢いの泣き顔で。
ニビ 「…どうしたのさ…えっと、鼻拭いて」
エンにティッシュのようなものを貸してやる。
エン 「あんがと……昨日の朝、工場の掲示板にさ…『月の華』のママと俺の相合傘が書いてあってさ…」
ニビ 「あぁ…えっと、あの、『ロンドン名物…タワーブリッジ!!』のママさんかぁ…。
 ゴツくて…むしろ、そこがセクシーで…ちょっとホイホイついていきたくなるようなママさんだよね?」
エン 「…あれは、セクシーなのか?…っていうより、ホイホイはダメだぞ!!ニビ!!」
ニビ 「え、セクシー禁止なの?」
あっけらかんと。
エン
(心の声)
『父さん、俺は、最近ニビがいろいろと知識をつけてきた事を、喜ぶべきでしょうか、嘆くべきでしょうか。
 むしろ、この<セクシー禁止>とか言うことばに、どう突っ込めばいいのでしょうか…覚えてらっしゃるでしょうか。父さん…
 俺がガキの頃…みんなに苛められて泣いていた時、父さんは言いましたね…」
例の北の国からっぽく
ヨク
(回想)
「男ってぇもんはぁ、痛いところから成長していくんだよぉ。
 心が痛いと思えば、そっから『ビッグ』な男に成長していけるんだぁ。父ちゃんを見てみろぃ。
 いまだに成長を続けてるじゃねぇか…こないだだって母ちゃんに毟られた…』(以下、自主規制)
最後のところは、強制終了気味に
エン
(心の声)
『痛いところ…そう、痛いところってどこでしょう。
 たとえ、胸の傷が痛んでも…何の為に、生まれて…何の為生きるのか…答えられないなんて……』
ニビ 「…で、どうしたのさ」
エン 「……あれ、タタラに…見られてたらどうしよう…」
ニビ 「そこまでタタラ、気にしないと思うなぁ……」
タタラ 「…お前ら」
ニビ 「あれ、タタラ、なにやってるの?」
タタラ 「…あぁ、ちょっとな。一人かくれんぼをしてたんだが、隠した人形が、残り一体だけ見つからないんだ……どうしよう…
 あと、掲示板の件なら知ってるぞ」
エン 「またそんなマニアックな上にデンジャラスな遊びを…って…えぇえ!?知ってんの?!」
タタラ 「知ってるも何も、犯人は私だからな!」
「犯人は私〜」の辺は物凄く爽やかに。キラリズム上等。
「ニビー、一緒に探してくれないか?」
何事も無かったかのように。
ニビ 「いいよ?どこに隠したの?」
タタラ 「ありがとう、見つからなかったら困るんだ…呪われるから…」
ニビ 「じゃぁ、早く探さないとね!」
エン 「ちょっと待て…お前らぁぁぁぁぁ!!特にタタラ!!そこに座れ!いいから座れ!
 お願い座って!そして一回謝れ土下座をfor me!!一発百回殴らせろぉぉぉぉぉ!!!!」
時速123km.の勢いの速さでまくし立てるように。
ナレ 「エンの言葉が届いているのか居ないのか、タタラとニビはその場からもう、30メートルほど離れていた。
 …と、そこに…」
チクロ 「お〜!タタラ〜エン〜!でっかくなったなぁ!!」
いきなり、何の前触れもなく現れたのは、タタラの亡兄。
タタラとニビとは反対方向の草むら、チクロとイガタ、二人が立っている。
タタラ 「…チク…兄様…?」
イガタ 「びっくりしたなぁ。すまんすまん。お盆だから帰ってきたんだよ。元気してたか?」
タタラ 「イガ兄様!!」
チクロ 「たーたーらー!」 キラキラと、再会を喜ぶ笑みを浮かべ。両者片腕を構えながら走り寄る。
タタラ 「兄様…にいさまぁぁぁ!!」
イガタ 「まずい…!!よけろ!!エン!エータ!!」
エン 「え?!兄ちゃん?!」
エータ 「よっ、エン!ひさしぶ…」
チクロ 「クロスボンバーーーー!!!!」(※チクロが言ってください)
タタラ
エン 「……ガフッ」
エータ 「…グハッ…」
イガタ 「あーーーーーーっと!!ホムラブラザーズのクロスボンバー炸裂ー!!
 日頃鉄打ちで鍛えられた腕に打たれては一溜まりもないー!!
 ソラの兄弟、起き上がれるか?!起き上がれるかぁぁぁ?!
 …果たして、この試合、どうなることでしょう…気になるところですねぇ、中野さん」
吉貝アナ調に
ニビ 「え?…僕、ニビだよ…? ……っていうか、これ、試合なの?」
状況がまったく読めて居ない。
フウ 「エンー!!兄様〜〜!!足元よ!足元を狙うのよ!!」
エータ
(心の声)
『…応援するより…タオルを投げ込んでほしい…頼むから……』
ナレ 「いつの間にやら、また一名増えている。ニビには、この『増えた』もの達が一体何なのか解らない」
ニビ 「え?…えーっと…タタラ、頑張って〜!タタラのお兄さんみたいな人も頑張って〜!」
フウ 「エンー!!負けないで!風のご加護がありますからね!!」
ニビ 「ちょっと痛い!痛い!…苦しい!何でこんな事するの〜?!」
エン
(心の声)
『次にジャイアントスイングを食らって、宙に舞った俺は、確かに兄ちゃんの姿を見た。
 そして、逆さまになりながら見えたのは…姉ちゃんだった。
 10数年ぶり、ちっとも姿は変わってなかった…あ、そりゃぁそうか、死んでんだもんなぁ、二人。
 だけど…姉ちゃん、ニビにコブラツイストかけるのはやめてあげてほしい訳で…
 それよりも、姉ちゃん、そんなキャラだったっけと、戸惑う俺が居るわけで…」
ヨク
(天の声?)
『エンよぉ、ソラの男はどんな困難にも立ち向かえる力を持ってるんだぜぇ。
 良いかぁ?俺達は安全に物を運ばなきゃ行けねぇ。それにはどんな困難が起きても動じねぇ心を持つことが大切だぁ。
 父ちゃんはなぁ秘蔵の●●●が母ちゃんに見つかって問いただされた時にも、
 朝帰りして母ちゃんが般若のような顔でキン肉バスター仕掛けてきたときにも…」
「●●●」→ピー音(放送禁止用語)/最後の部分、消えていくかんじに
フイゴ 「おめぇら…せっかくのお盆だっつーのに手伝いもしねぇで……」
先祖代々の御霊を弔う行事の準備があるというのに、ふらりと遊びに出て行ったタタラを探しにここまで来た。
チクロ 「…まずい…あのモーションは…!!」
タタラ 「逃げよう…兄様!!」
フイゴ 「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ロビンスペシャル!!
タタラ 「グハッ……」
チクロ 「ゴフッ…!! ……あいからわず…つえぇ…流石だぜ、親父…だがよ。まだ甘いぜ親父殿……ビッグベンエッジ!!
ナレ 「チクロの繰り出したビッグベンエッジが、フイゴを頭から地面に勢いよく叩きつけた」
イガタ 「あーーーーーーーーーっと!!ここで試合終了!!ビッグベンエッジの鎮魂の鐘が荘厳に鳴り響いたぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
戦った(巻き込まれた)エン、エータ、チクロ、
フイゴ、タタラが、ボロボロになって座っている。
その周りにも、フウ、ニビが座っている。
フウに回復してもらいながら、話を続ける。
フイゴ 「……で、盆だからって黄泉返りかましといて、親にビッグベンエッジ食らわす息子はどこのどいつだ」
チクロ 「けっ…会って早々親にロビンスペシャル食らわされる息子の身にもなってみろ」
エン 「……会って早々、クロスボンバーを他人にかます兄弟もいかがなもんかと…」
エータ 「そうだそうだ!!まず最初に俺とエンに謝れよ!チク兄ちゃん!!エンが操縦桿握れなくなったらどうしてくれる!!」
チクロ 「わりぃ、つい癖で」
かなり、あっけらかんと。

フイゴ 「…それで、何でお前ら普通にここに居るんだ。魂だけならまだしも肉体まで…普通に里帰りじゃねぇか」
イガタ 「会いたいと思う気持ちが、そっと今願いになったんですよ。親父殿」
ちょっとポエミーに。遠い目をする感じで。キラキラって感じで。
ニビ 「…ねぇ、おやっさん?」
フイゴ 「ん?どうした、ニビ」
ニビ 「僕、この人たち知らない……誰なの?」
タタラ 「その人たちは、ニビの街の出身で、そこのゴツい二人が私の兄様たち。そして、エンと瓜二つなのと、そこのお姉さんは、
 エンのお兄さんとお姉さんだ。ちなみに、死後十年物の立派な幽霊だ
ニビ 「えぇええ…?!幽霊?!」
チクロ 「まぁ、そういう事だ。親父も元気そうじゃねぇかぁ!」
フイゴ 「まぁな…だが、お前も相変わらず………酒臭いな。むしろ俺よりもおっさんレベルが高そうだ」
チクロ 「ったりめーよ…いや、親父よりおっさんは断じてありえない」
いつの間にやら、チクロの手には、でっかい酒瓶が握られている。実は生前、かなりの酒好きだった。
(おっさん度は100%中の120%。でも享年は20代前半〜10代後半)ホムラは総じて酒豪の家系。
フイゴ 「チクロよ、覚えているか…あの少年の日の事を……あの日、お前は酒によって、
 マッパでルバツ川に…まるで道頓堀にダイブするタイガースファンのように
 無敵に素敵にダイブし、次の日、海で引き上げられた事を…」
チクロ 「男は涙を見せぬもの…見せぬものよぉ!!」
なぜか豪快に笑う。
フイゴ 「チク…そして、あるときには、酔っ払ってゲンコに絡んだ挙句、カンナにナパームストレッチされて…」
タタラ 「と…父様ぁ……やめて…私の中のチク兄が壊れていく…」
タタラの脳内の中のチクロは「不器用でマイペースだがしっかりした頼れる兄ちゃん」
ナレ 「思い出と言うのは、誰しも美しくあるものである。特に、亡くなった者の記憶に関しては…
 だが、得てして現実と言うのは残酷なものだ」
エータ 「つまり俺らは、酔っ払ったついでにクロスボンバられたってわけかよ…エン、大丈夫か?」
エン 「…あー…大丈夫だよ、兄ちゃん。俺って基本こんな扱いだから」
エータ 「なにぃ?!てめぇ、よくも俺の可愛い可愛い弟を……責任者でてこーい!!」
フイゴ 「エータもエータで古いネタやってんじゃねぇ。
 おめぇらさっさと家に帰んねぇと、チャイコフスキーのロケットキックが炸裂するぞ」
ニビ 「おやっさんも、ワケわかんない事言ってるよね…」
タタラ 「…血は、争えぬものだな…」
ナレ 「タタラの言葉に、ニビとエンが視線を向けると、フイゴの手にも酒瓶…なぜか熊本県名産「美少年」の瓶が握られていた…。
 そして、やはりというか、何故…と言うか…タタラの手にも『男山』の一升瓶が握られていた」
エン 「…兄ちゃん、姉ちゃん…家、帰ろうぜ…ほら…父ちゃんと母ちゃんにも会いたいだろうし……」
エータ 「んー、まぁそうだな。かえろっか、フウ」
フウ 「そうねぇ…帰りましょ。父様と母様とお話できるなんて、久しぶりだし」
エン
(心の声)
『むしろ、この場から逃げ去りたい…本当に、逃げ去りたい…できる事なら帰りたい。あの日に帰りたい
 …この状況が…今の俺には理解できない…アンインストール…アンインストール』
ヨク
(天の声?)
『エンよ、男ってぇのはなぁ。一晩中泣いて、泣いて気がつくもんなんだ。
 お前も早く誰かを探せよ。セクシーなの、キュートなの、エンはどっちが好きなんだ?
 そろそろ部屋のどっかにそれ系の本の一冊も隠しててもおかしくねぇだろぉ?見つからねぇんだよなぁ。隠すのうめぇなぁ、お前』
エン
(心の声)
『父さん、人の部屋勝手に漁らないでください。でもどちらかと言うと、俺はキュートの方が若干…』
ヨク
(天の声?)
『ほほう、お前も男よのう。どぉれ父ちゃんが後で良い店連れてってやっからよぉ。ちなみに父ちゃんの秘宝館は…』
エン
(心の声)
『何故だ…お父さんと会話してる…あぁ、これ、きっと夢だよね…悪い…夢…DA☆YO☆NE☆」
エータ 「おい、エン」
エン 「…ん?どうした、兄ちゃん」
エータ 「どうでも良いんだが…お前さ、さっきから考えてる事ぜーんぶ口から出てるぜ…っていうか、誰と会話してんだ?」
エン 「何!?」
ナレ 「エンに、ある意味での心配も生まれた……と、そこに一人の…少女…(?)が現れた」

タタラ 「あ、ミミカ。どうしたんだ?」
ニビ 「ミミカ、こんばんはー」
ミミカ 「タタラぁ、ニビぃ、こんばんはー」
タタラ・エン・ニビとミミカは、仲が良い。
あの事件以来、よく月の華にタタラが遊びに行くようになったので。
エータ 「知り合いなのか?このお嬢ちゃんと」
エン 「…兄貴、そいつは……」
ミミカ 「オカマバー『月の華』のホステス、ミミカです」
カガミエ入り名刺をエータに手渡す。
エータ 「オカマッ?!」
フウ 「兄様、オカマってご飯を炊く…?」
フウは箱入り娘なので、そういう言葉には疎い。
エータ 「…いやいや…いや、うん、いいんだ…フウはそういうこと知らないままで」
イガタ 「あれ、キリじゃないか」
ミミカ 「あ、イガ兄ちゃん。黄泉返り?」
イガタ 「うん、黄泉返り。元気そうだなぁ」
タタラ 「…イガ兄様…知り合いなの?」
イガタ 「知り合いも何も…」
フイゴ 「幼馴染だな。タテシ一族出身、本名はキリ…うちにも何ヶ月か居た事があるんだが…覚えてないのも無理ないかぁ。
 タタラはあの頃まだヨチヨチ歩きの赤ん坊だったもんなぁ…」
キリは父と二人暮らしだったが父はキリがまだ幼い頃、難癖つけて値下げを要求して来た工事発注者とタテシ一族の者が殴り合いの喧嘩をした際に、
仲裁に入ったが、発注者が刃物を持ち出し、タテシの者を狙った為それを庇い、落命した。行き場が無いキリを、フイゴが引き取った。
が、ちょうどママがフイゴの家に訪ねて行った時、ママは事情を聞いて、自分の店を建ててくれたタテシの子供だからと引き取って育てた。
だから色街からあんまり出た事が無い。ちなみに、ゲンコの父の弟の息子。つまり従兄弟
エン 「…タテシ…こいつが?!」
チクロ 「ちなみに、ゲンのイトコだ。としはうちのヅチより一つ二つ下ぐらいか」
イガタ 「ところで、どうしたんだ?お前が自分で色街から出てくるなんて珍しいじゃないか」
ミミカ 「えーっとねぇ…あぁ、えっと、ママを探してたの」
エン 「ママ…どうかしたのか?」
ミミカ 「うん、えっとねぇ……昨日、お店が引けた後にママやリリカさんやルルカさん達はお店で飲んでたんだけど…
 その後みんな、場所を変えて飲もうって言って出てったっきり、帰って来ないの。
 リリカさん達はそのままお休みで、今日の朝には旅行に行っちゃったから…
 どうしよう、今日も団体さんの予約が急に入っちゃって、ダメって言ったんだけど、どうしても来るって……」
タタラ 「……ミミカ一人じゃ店が開けれない…か、困ったな…」
ミミカ 「うん……だから、ミミカ探しに来たの。ママ、帰ってこれないときには、絶対連絡くれるもん」
ニビ 「連絡くれないって事は、やっぱり何かあったのかな……心配だよね…」
エン 「ママが行きそうなトコは探したのかよ」
ミミカ 「うん……ハッテン場や行きつけのお店とかは全部探したの。ホイホイついてくるような人にも声掛けてみたし」
この先の「やらないか」合戦〜「いつもの〜」まではテンポよく。
チクロ 「…『やらないか』とか言ってないだろうな」
イガタ 「兄様、この状況で『やらないか』なんて言えないだろ?」
ニビ 「でも、『やらないか』ってどういう意味?」
タタラ 「ニビは知らなくてもいいことだよ、『やらないか』なんて」
エータ 「んー、まぁ…そのなんだ…『やらないか』ってことだ。ヅ…じゃなくて、ニビ」
フウ 「先ほどから気になっていたのだけれど『やらないか』って、何をやるのかしら、兄様」
エン 「…姉ちゃんは知らなくてもいいよ『やらないか』の意味なんて」
フイゴ 「お前らさっきから聞いてりゃ、『やらないか』ばっかり言いやがって。そんなに言ってると、本気でリフの野郎が阿部さ…ゲフッ」
「ゲフッ」と咳き込んだ後は、倒れる。
ミミカ 『いつもの二倍だ、覚悟しろ』…とは言ったけど…」
チクロ 「…どういう物の聞き方だ…」
イガタ 「ベアクローは手にハメて無かったろうなぁ…」
ミミカ 「……でも、ママ何処に行ったのかなぁ…今頃、誰かに『アッー!!』な事されてたらどうしよう…」
イガタの心配を無視して。
エン 「いや、それはそれでママ的にはOKなんじゃないか?」
エータ 「まぁ、OKだろうけどなぁ…」
ミミカ 「そうなってたとしても、ママは連絡くれるもん」
エン 「あー、はいはい、わりぃわりぃ」
タタラ 「…で、フウ姉さまは何をして……」
フウ 「万物の生と死を司りし双神(そうしん)・ジズニとスミェルチよ…我が声を聞き届けたまえ」
ナレ 「周りが騒いでいる間、フウは一人でなにやら始めていた。彼女の目の前には、フイゴが倒れている」
チクロ 「おいおいおい、何を始めるつもりなんだ?」
エータ 「…この呪文…まさか…」
エータはフウの兄であり、また、フウが呪文の勉強をするのに付き合ったりもしていたので、呪文の種類がわかる。
そして、この後に起こる事がたいてい予測がついている。ちょっとドキワク。
ニビ 「何が起こるの?エンのお兄さん」
エータ 「起こってみなきゃわかんねぇよ!」
イガタ 「何だか解らんが…とりあえずニビ、タタラ、エン、逃げろ!」
フウ 「この者の肉体を媒介として…かのもの…ハコビのリフの魂を呼び出したまえ…ブラーチ・チェーラ・ブリェーミャ!」
ナレ 「瞬間、眩い光が辺りを包むと、フイゴがゆっくりと起き上がった」
フイゴ
(憑依:ママ)
「……ここは、何処…」
辺りを見回している。
チクロ 「…親父!?」
フイゴ(ママ) 「あーら、チッくんじゃないのぉ、お久しぶり。アンタ相変わらず惚れ惚れするぐらいガチムチねぇ。
 その手のハッテン場に行ったらモテるわよぉ、後で良いトコ紹介してあ・げ・るv」
チクロ 「いやいやいや、俺、死んでるし…そっちの趣味は…って、その呼び方は……り…リフ兄ちゃん?!」
イガタ 「…まさか…フウ、何をしたんだ?!」
フウ 「ママさんが、リフ兄様だって解ったので、何かあって魂が身体から離れてる状態だったら憑依させられるかなって思いましたの。
 案の定、上手くいきましたわ。心なしか声もとっても似てらっしゃいますし」
ちょっと得意げに。
エン 「ちょ…って事は何かあったって事じゃねーか!!」
タタラ 「ママさん、説明してくれ!何があった?!」
ニビ 「まさか…死…?!」
ミミカ 「ママー!」
フイゴ(ママ) 「あら、キリ。何よアンタ、探しに来たの?店で待ってれば良かったのに」
仕事モードの時には源氏名:ミミカで呼ぶが、普段は「キリ」と本名で呼んでいる。
タタラ 「で、ママさん、何処に居るんだ?…っていうか、何があったんだ?」
フイゴ(ママ) 「いやぁね、リリカちゃん達と飲んだ帰りに、新装開店した色街で働く全ての『乙女』達の為の深夜営業のエステを発見したから、
 ニビの色街一のオカマバー『月の華』のママとして、こりゃ入っとかんといけんと思って、
 美を追求するべく、乙女武者修行として入ってみたんだけどねぇ」
イガタ 「…美の追求…」
フイゴ(ママ) 「まぁそしたら、いい感じの音楽聴きながらアロマエステして貰ってたら、いい旅夢気分になっちゃってねぇ…
 あんまりにも疲れてたのか…そのままいい感じに、目の前に階段が見えてきちゃって…」
チクロ 「リフ兄、その階段、登っちまっちゃぁ行けねぇぜ」
フイゴ(ママ) 「まぁ、登ろうとしたんだけどねぇ、登ろうとしたんだけど、布団の下に隠しておいたアレをキリ達に見られるのが気がかりで、
 お迎えの天使ちゃん達を火事場のクソ力で振り切って逃亡中よ。盗んだバイクで走り出す勢いで」
ナレ 「ママが何を隠していたかはさて置き、人には登ってはいけない階段と言うものがいくつかある。
 それは…大人の階段とは別の階段や、13段の階段…。
 ちなみに、作者の地元の海水浴場には、何の目的であるのか…何故撤去しないのかわからないが、
 上から降りていっても、途中から無い為、下に降りれない階段がある。
 そう、降りれないものにも乗ってはいけない。夢の中に出てくるおサルの電車とか、終わりの無いジェットコースターとか…
 まぁ、人生と言うのは、終わりの無いジェットコースターそのものであると思われる。」
ミミカ 「もっと美人になって帰ってくるんだね、ママ。…それより、どうして連絡くれなかったの?」
フイゴ(ママ) 「アンタ、連絡したのに出なかったじゃないの」
エン 「…連絡、あったのかよ…」
ニビ 「どうしてミミカは連絡があったのに気づかなかったの?どこか行ってた?」
タタラ 「まさかとは思うが、店のヨビバコ壊れてたとか?」
ヨビバコ…電話と同じようなもの。
フイゴ(ママ) 「うちの店のヨビバコ、一週間ぐらい前に新調したばかりよ」
ミミカ 「あー、ミミカ、ゲームしてたぁ」
チクロ 「…ゲームしてても、普通は気づかないか?」
フイゴ(ママ) 「あんた…またあのゲームしてたのぉ?よくも飽きずにやってるわねぇ」
イガタ 「何をしていたんだ、キリは」
ミミカ 「超 兄 貴」
なぜかチクロをじーっと見る。キュピーンと目が光っている。
ナレ 「超兄貴…そう、超兄貴である。どうやら、ミミカの好みはチクロのような『クマ兄貴系』らしい。
 チクロはその視線を感じ、寒気がした。どうやらそのゲームをしている際、
 ミミカはあまりにも陶酔し過ぎて連絡があったのにも気づかなかったらしい。
 ……アニキ、アニキ、私とアニキ…アニキ、アニキ、アニキと私』
ミミカ 「…ジュルリ」
チクロ 「……イガタ、俺…今、なんか…逃げていいか」
イガタ 「…いや、兄様…今頃気づいたのか…大丈夫、兄様は攻めだろうから、後ろの事は心配する必要はない」
実は、イガタは前から知っていた。「大丈夫〜」の辺りから、なぜか諭すように
ナレ 「チクロに、いらない心配が出来てしまったのはともかく、月の華のママの魂をどうにかしなければならないだろう」
タタラ 「で、ママさんの肉体は今どこに…」
フイゴ(ママ) 「それがねぇ…」
エータ 「早く何とかしねぇと、俺らのお仲間になっちまうよ!」
フウ 「まさか…焼かれてしまったのですか?!」
ニビ 「焼きママン?」
フイゴ(ママ) 「縁起でもない事言わないでよぉ。ちょっとミディアムレアになってみたいなんて思っちゃったじゃないの。
 ちょっとちょうど一年前にこの道を通った車の助手席に乗ってた女の子みたいな感じになってるだけよぉ」
イガタ 「ちょうど一年前に、この道を通った夜……?!」
ミミカ 「ロード?!ロードなの?!…ママ!ロードに埋められてるの?!」
フイゴ(ママ) 「そんな訳ないでしょ、今は病院のベッドの上で眠れる森の美女よ」
エン
(心の声)
『何でもないようなことが…幸せだったと思う…今、本当に…切実に思う…帰りてぇ、二度とは戻れない夜に帰りてぇ…!!』
ニビ 「エンのお姉さん、戻して上げることって出来ないの?このままじゃ、ママさんがフイゴ親方にとりついたままだよ?」
フウ 「その心配はないわ、ヅ…ニビ。ちなみに12時間ぐらいたたないと元には戻れないのだけれど…」
エータ 「12時間…?!」
チクロ 「おいおいおい!せっかく俺ら帰ってきたのに12時間も親父の身体はリフ兄に使われてんのかよ?!」
イガタ 「戻してくれ!切実に願う!戻してくれ!」
タタラ 「大切なことだから二回言いました!」
フイゴ(ママ) 「あら、もうこんな時間…!ミミカちゃん、早くお店帰ってお仕事するわよ!」
周りの心配を気にせず。仕事モードになり、ミミカの襟首を掴んで走っていく。フイゴがオカマ走りをしている様は、どう見ても異様だ。
ミミカ 「はーい、お掃除もしたし、お通しもミミカが作っといたよ〜。今日は急に団体さんの予約が入ったからぁ」
フイゴ(ママ) 「こうしちゃいられないわね!急ぐわよ……でも二人だけで大丈夫かしら…」
ちょっと立ち止まって。ミミカと顔を見合わせている。
ナレ 「オカマ二人は顔を見合わせる…少しの間、周りに異様な緊張が走る。
 いやな予感が、男性陣にはビンビン感じ取れた」
エン 「…ま…まさか……」
エータ 「どうしたんだ?エン」
エン 「兄ちゃん、俺は帰る!!俺は帰る!」
フウ 「どうしたの?いきなり…」
フイゴ(ママ) 「……お願いダーリン☆ハラハラリン☆
例のあの歌の節で。 もう片手で、エンの肩を掴む。
チクロ 「…? どうしたんだ?」
エン 「え…また…?またなんですか、ママさん?」
いやな予感。
エン
(心の声)
『この惨劇を止めてください…親方様ぁぁぁぁぁぁ』
タタラ 「エンなら、OKだそうだ。ママさん」
やけにキラキラと。
フイゴ(ママ) 「あら、そう?助かるわぁ」
エン 「おいぃ?!」
エータ 「リフ兄ちゃん、うちのエンをどうするんだよ〜?!」
エン 「にいちゃーん!!助けてくれぇぇぇぇぇ!!たすけっ…」
ガシィッ(SE:肩をものすごい握力で掴まれた音)
フイゴ(ママ) 「助けてくれるわよね?エンジュちゃぁぁん?」
ものすごく、世紀末覇者の目をして。エンにものすごく重力がかかる感じに。
フウ 「でも、うちのエンを連れて行ったとしても、三人しか居ないのでは…?」
ミミカ 「…それもそうだねぇ、ママ…今日の団体さん、多いの。三十人だって」
フイゴ(ママ) 「あら…それにしても、ミミカ一人しか居ないから、また今度って言えばよかったでしょ」
ミミカ 「断ったんだけど…ママに会いたいからどうしても来るって……あの社長さんたちなんだけど…」
フイゴ(ママ) 「あぁ、あのコオタガの社長さん達ねぇ…良いお客さんなんだけど、結構横暴なのよねぇ…」
ナレ 「三十人VS三人、それは…リンチのようなものである。負けるのは、目に見えている」
タタラ 「…確かにそれでは無理があるな…だが…兄様たちを貸すわけには……」
視線は兄等。だが悩んでいる。さすがに兄等を差し出すのは忍びないのか。
チクロ 「おい!タタラ!兄ちゃんたちをどうするつもりだ?!その目はなんだ?!」
イガタ 「タタラ…?!ダメだぞ?!何がなんだかよくは解らないが…ダメだぞ?!」
ニビ 「むしろ、僕にはタタラの向かっている方向がよくわからないよ」
エータ 「エンを連れて行くなら…俺も連れていけぇぇぇぇ!!死なばもろとも一蓮托生!!」
ナレ 「美しい兄弟愛…だが、エータはもう死んでいる」
エン 「に…兄ちゃん…」
感動している…していいのか?この場合
フウ 「…兄様…」
フイゴ(ママ) 「エータ、よく言った…それでこそ、空の男!!」
やけに男らしく。
エータ 「あぁ…俺も…親父の子だから!!」
やたらシリアスに
イガタ 「……エータ……エータが行くなら、俺も…行かないわけにはいくまいな」
イガタもシリアス。
チクロ 「何故だ?!何故なんだイガタ?!」
イガタ 「タタラ達が…困っている…兄様、兄として見過ごせないじゃないか」
チクロ 「タタラ達が?」
ナレ 「チクロが視線を移せば、フウとタタラが、『とっても困って居ますオーラ』を出して、うなだれていた」
チクロ 「うぅっ…」
妹達が困っているのが見過ごせない。…だが、男として捨てられないものもある。
イガタ 「行くわよ、ママ」
フイゴ(ママ) 「よく言ったわ、イガコ!」
イガタとママは顔を見合わせてまじめな顔でうなずく。
ナレ 「イガタは、やる気十分だった。むしろ、内心やりたかったのではないかとも疑える…と、そこに」
ニビ(?) 「…僕も…行くっ!!」
決意を秘めた表情で。
タタラ 「…ニビ?!」
ニビ(?) 「…妹が……タタラが困ってる…僕も、兄だから…ね、エータ」
ナレ 「そう、決意を秘めた表情で、ママの前まで進み出るニビの手には、日本酒『魔界への誘い』の瓶……」
エン
(心の声)
『え…えぇえええええ?!なんかいろいろ覚醒してるぅぅ?!』
エータ 「ヅチ!…よし、一緒に行くわよ!ヅチ子!」
ニビ(ヅチ) 「うん!タタラとフウが困ってる…キリも困ってる、リフ兄さんも困ってる…困ってる人を放っておくことなんて出来ないじゃないか!!
 ……行くわよ!エーコ!!オカマの友情パワーは永久に不滅よ!!」
エータ 「ヅチ子…そうね、私達の友情パワーは…不滅なのよね!!特攻上等バリバリよ!!」
エン
(心の声)
『この状況…なんと言ったらいいのでしょうか…父さん。僕は…
 …僕は…やっぱり理解できないわけで…きっと作者もよくわかってない訳で…』
ナレ 「確かに、今回の作者は変な勢いで書いている。片手には…アルコール度数50度のヴォトカ…を割った
 ヴォトカトニックライム割り。実にハラショーな気分である。ちなみにツマミはシンプルに大好物・秋刀魚の塩焼きと大根おろし。
 まことにもって、最高にハラショーな気分である、秋の味覚にスパシーバなのである。」
ヨク
(天の声?)
「山の神 海の神今年も本当にありがとう〜ってぇことで、残すところは後はチクロだけになったわけだがよぉ、どうするんだぁ?」
チクロ 「うぅ…んー…」
チクロ
(心の声)
『イガタも行った、ヅチも行った…エータも行った……兄である俺が行かないわけには… 
 いや、だいたいにして、どうしてこんなことになってしまったんだ?
 そもそも、俺等、黄泉返りでただ単に里帰りがしたかっただけで…目の前のリフ兄はどうみても親父の姿な訳で…
 親父が…たとえとり憑かれてたとしてもオカマなんて……いや、かなりショックだと言うのを、今俺が表現したなら弟達はどうなる…
 いや、キリの視線がさっきから痛いんだが…そんなに見るなお前は何なんだと言うよりも俺が何なんだ。
 俺がお前でお前が俺で…哀戦士…そう、哀戦士なのか……いや、俺は…俺は…』
出来ればものすごく早口で。どうやらこの状況に酔いが醒めたのか、ものすごくシラフ。
ヨク
(天の声?)
『Here we go!ヤッチマイナー!』
英語の部分、やたら発音よく。
チクロ 「チクロ、行っきまーす!!」
もう、何が何だかすべてが覚醒した感じに。例のあの台詞風に。
フイゴ(ママ) 「それでこそ私のチッくん…いや、チコちゃん。さぁ、みんな行くわよ!!」
チクロ 「勿論よぉ、ママvなんだったら黄泉返りの間中でも良いわよv陸自に居そうな素敵な殿方に出会えるかしらv」
『覚醒』しちゃってるのか、やけくそなのか。
タタラ 「…兄様、素敵だ…素敵過ぎるぅぅぅ!!」
酒臭い息を吐きながら。完全にタタラは出来上がっている。
ナレ 「ホムラ一族が去った後…そこには四兄弟の手にして居た酒瓶が転がっている。
 …大丈夫なのか…?いろいろと…いや、作者の頭が大丈夫なのか
フウ 「……そこに、ロマンはあるのかしら……」
エン 「ねぇから!ロマンなんて一欠けらもねぇから!!」
フウ 「楽園の門が開かれます」
手には梅酒の瓶が握られている。
エン 「姉ちゃん!!楽園って何だよ!!」
ナレ 「エンには見えて居ないのだ、姉の片手に握られた、その酒瓶が……」
エン 「えぇえええ?!つか、今回ぬるくない?!」
ナレ 「その後、どうなったかは、やはり神のみぞ知る…と言う事で。
 作者は高三の体育祭の時、綱引きやバレーボールに参加していたところ、
 クラスメイト達に卒アルの写真を撮るからと、ことごとくその時だけ外され、
 作者の居た所にはクラスの中心グループの女子に差し替えられた。
 一緒に生徒会をしていた同じクラスのM川さんに、『クラス集合写真撮るのはまだだから』と言われ、作者はそのまま
 生徒会の仕事をしていたのだが、担任が通りかかった際に『クラス集合写真は…』と聞くと『あれ、もう撮ったよ?』と言われた。
 高校時代の卒アルに、作者の姿は皆無に等しい…まぁ、そんな事はどうでもいい、今回の話もここで終わらせていただこうと思う」