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ニビイロ−第十八話−

※下に書いてあるのはト書きです。
※アドリブを入れるのは自由ですが、台詞の意味などは変えないでください。
※3番タイムなどに、自分の役の台詞とト書きだけでも良いので、ちゃんとチェックしてから演じてください。
※基本的に、色のついたセルは、ト書きです


タタラ 20歳前後 「ホムラ」の一族の一人
ホムラの頭領の娘。
女伊達等に鍛冶場で働いている。
口調が男っぽいだけで、中身は列記とした女である。
基本的男らしさを意識した感じで喋る。
※できれば、かわいさを取っ払ってください。
 イメージ的には、もののけ姫のサンが近いかも?
フイゴ 40代後半〜50代 「ホムラ」の一族の長
タタラの実父。粗野な言葉遣いや態度ではあるが、家族思いでのんびり者である。
大所帯のホムラ一族を纏め上げる男。人間ではないような巨体。
だが、担当する仕事はロウ付け。(本人曰く「隠居」)
ヨク 40代後半〜50代 「ハコビ/ソラ」一族の長
エンの父親。フイゴとは幼馴染で、よく似た性格をしてはいるが、
ヨクのほうがかなり短気であり、頑固で喧嘩っ早い。
工場内に響くような怒声でよくエンたちを怒っている。
ハシ 70代中盤〜80代 モグラ一族の長。
フイゴ・ヨクの親世代であるにも関わらず現役。
土の中の生活が長いのか、ちょっと浮世離れした性格。よく笑う。
耳が遠いせいか、声がでかい。
ヴィント 20代中盤
ロギザ出身の亡命者。若き技術者であり、性格には多少なりとも問題あるが、腕は確かなもの。
つかみどころの無い性格。あんまり物を考えない性格なのか、それとも打算づくなのか、ずけずけと物を言う。
あんまり何も考えない、緩めな感じでやってください。よくも悪くも現代っ子。
ジオペ 三十手前。 クミの一族の一人。ハンダの八男坊
変わり者ではあるが、腕は特一級品。
機械を手足のように使い、またその知識量は常人を遥かに超える。
それ故、『機械の神に愛された男』と呼ばれている。ゲンコ・チクロ・カンナの幼馴染。
スパナ 三十代前半。 クミの一族の女。 ジオペの実姉。五女。
クミの一族の中でも、ジオペを理解できている数少ない人物。
ジオを馬鹿にする人間を許さない。ちょっと荒々しい。一応人妻で子供(三歳の男女の双子)も居る。
テヘン ヨク・フイゴと同年輩。ハシの息子。
ヨクと被りでお願いします。
ロッコ 12歳ぐらい ハシの孫でありテヘンの末息子。
おじいちゃんが大好きで、貰ったツルハシが宝物。
タタラと被りでお願いします。






ナレ





時代・世界観
舞台背景など
高度科学(高度工学?)と魔法がまだ共存している時代。
舞台となる、工業都市・ニビは、世界でも有数の工業都市。
そこで作られるものは、高評価を得ていた。

その街で暮らすものたちは、ほとんどの職業ごとに、一族に分かれている。
ホムラ一族 フイゴ率いる炎の一族。炎使い。
炎を扱う事に長けており、またそれを生業とする一族。
フイゴの娘、タタラが頭領代理。
フイゴ、チクロ、イガタ、ヅチ、タタラ、サンキリ、
ハコビ/ソラ一族 ヨク率いる空の一族。風使い
風を読む事に長けている。空輸、または運搬艇を使った資材運びを
生業としている。
ヨクの息子、エンは、若手のまとめ役。
ヨク、エータ、エン、フウ、リフ
タテシ一族 ナグリ率いる土の一族。土使い
大工仕事や建設、いわゆる「建てる事」を生業とする一族。
ゲンコは、この中でも期待されている若手。
ゲンコ、カンナ、ノコ、キリ
ミナモ一族 老翁・ソウ率いる水の一族。水使い
ニビの街の水源、ダム等を司る一族。
次期頭領候補であったソウの息子・ミナカミの死により、内部で荒れている。
ミナカミ、シズク、セキ、ミナワ
クミ一族 ハンダ率いる一族。ニビの街の産業を支えている一族。
あらゆる機械の組み立て作業を生業としている。皆、手先が器用。
自然由来の魔法は使えないが、あらゆる道具を「操る」能力を使う。
ジオペ、ハンダ、ナット、ボルト、スパナ
モグラ一族 ハシ率いる闇の一族。ニビの街で使われる鉄などの材料、鉱石などを採取する一族。
暗闇で目が利く特殊能力がある。(闇の中で自由に活動する)
若干、地上の世界のもの達と触れ合う機会が少ない。
ハシ、テヘン、ロッコ
オサメ一族 所謂、私達の世界では役人と言う役目を担っている一族。
ニビの街の商業取引なども、この一族が行っている。
どちらかと言うと、職人気質の人間が集まるこの街では異質の存在かもしれない。
ソラフネ 飛行機のようなもの。空を飛ぶ船。
ニビの街では、これや準ずる物を盛んに作っている。
兵器等を積み込んだ"戦艦”も作られる。
ソライス
(エアースクーター)
ソラフネと同じ構造で、空を走る。
見た目はバイクのタイヤが無いバージョンみたいなもの。
エンもよく乗っている。
ツクラレ いわゆるサイボーグ。
四肢を亡くした者は、その代わりに機械義肢をつけられるが、
痛みを取り払い、すぐに機械義肢を元の身体のように動かせる代償として、記憶を奪う。






ナレ 「ニビの街の祭りが終わり、人々はまた、普段通りの生活に戻っていた。
 本来、この街は祭りが終わっても祭りの片付けや、帰郷している者達と過ごす為に二日ほどは工場も休止しているのだが、
 今回の祭りはそうも行かない。得意先であるアセキハやドギルからのソラフネ等を初めとする兵器の発注が、
 平常時よりも、多くなっているのだ」
ナレ 「−朝−
 タタラは大きな肩掛けカバンを提げ、背中には鉄槌を背負うと言う、いつものスタイルで工場への道を歩いている」
タタラ 「……はぁ」
ひどく疲れたような表情。疲れたと言うよりも、心配事があるのだろう。
タタラ
(心の声)
『……ニビとエン…今頃どこを飛んでるだろうか…。
 エンはヨクおじ様の息子だ、そうそうヘマをするとは思えないが……連絡のひとつぐらいよこしてくれないだろうか……』
ズボンのポケットからケータイヨビバコを取り出して、ギュッと握る。
二人が旅立ってから、ヨビフミ(メール)すらも来て居ない。
タタラ
(心の声)
『エン……初めての大仕事だからなぁ……ニビも一緒だから、余計心配だ……』
タタラ 『心配と言えば……』
―前夜―
バンッ(SE:戸をはっぱり開ける音)
ヴィント 「タタラ! 俺、働くことにしたから!」
タタラ 「は…?!どこで…何をして?!」
ものすごくラフな格好で、ベッドに寝転がって雑誌を読んでいた。突然のことでびっくりしている。
ヴィント 「いやー、ジオの所で助手ってことでさ」
タタラ 「ジオ兄様の所で?! お前…お前、ちゃんと許可は取ったのか?!」
ヴィント 「だーいじょうぶ、大丈夫。心配すんなよ、ジオの父ちゃんにも姉ちゃんにも許可取ったから!」
タタラ 「……なら……まぁ…」
とは言いつつ、ジオの特異なところを知っているから、何か問題を起こさないか、ものすごく心配。
(回想終了)
タタラ 「は〜ぁ……」
ものすごく深いため息。

―工場・第一製鉄所―
タタラ 「親父殿ー、親父殿ー」
父を探して歩いている。何か用事があるようだ。
フイゴ 「おー、ここだぁ」
隙間にものすごくみっちりハマっている。圧縮されてる感じ。効果音で表したら「ムッチーン」って感じに。
ナレ 「第一製鉄所の一番奥、何やらフイゴは大きな身体を隙間にねじ込んでいる。
どうやら、鉄の材料を計る計測器が壊れてしまったらしく、その修理をしているようだ。
だが、相当の年代物。おまけにホムラの者たちが超過労働をする度に、
その計測器も付き合うことになるため、ガタが来ている」
タタラ 「また壊れたのか?」
フイゴ 「あぁ…まただ」
タタラ 「そろそろ買い替えないか? それよりも良いの、たくさんあるから」
ジトー…と、言う感じで見ている。そうとう古い型の秤である為、図るのも結構面倒な上に、ちょっと正確さも不審なところもある。
フイゴ 「まぁなぁ…で、タタラ、何のようだ?」
タタラ 「そろそろモグラが上がってくるって連絡があった」
フイゴ 「おぉ、そうか。すぐ行く」
タタラ 「ソラの連中は、先に行ってるって。そこは私がやるから」
フイゴ 「おう、おめぇにゃまだ無理だ。ハンダじいさんに修理頼んどけ」
タタラ 「…」
無理と言われて、ちょっとムスーッとしている。むしろ、最初からハンダに頼んどけよと思ったりもしている。
フイゴ 「後は任せたぞ。しっかりやんな」
タタラ 「解った。もしもの時は連絡するよ」


ナレ 「モグラ一族は、製鉄を主な生業としているホムラ一族とは切っても切れない仲である。
鉄等の材料となる鉱石などを掘り出してくるのは、モグラの役目。
そして、それを直に買い取り、鉄や他の細工物を作るのがホムラ。
最低でも、二日に一回はこのやり取りが行われている。今は忙しいため、その回数も多い」
―坑口搬出路―
三つの扉があり、それぞれにレールが扉の向こうへ伸びている。
ナレ 「ヨクをはじめ、ソラのハコビ衆の運搬艇が6機ほど停まっている。フイゴが買い取った材料を運ぶためだ」
ヨク 「フイゴ、やっときたか」
携帯灰皿に、タバコを押し付けて消す。相当待っていたのか、もう吸殻が入らない状態になっている。
フイゴ 「すまねぇなぁ。ハカリが壊れっちまってよぉ」
ヨク 「またかよ…。最後に買い換えたのはチクロが生まれた辺りだろう」
チクロ…タタラの長兄。生きていたら三〇歳ぐらい。
フイゴ 「あぁ、そうとう世話になったし、ガタが来てんの承知で騙し騙し使ってたんだがなぁ」
しょんぼりと。お金が惜しいわけじゃなくて、あのハカリには相当愛着と思い出があるから、本当はまだ使いたい。戦災も生き延びた計測器だ。
ヨク 「アッハッハ! しょうがねぇさ、商売道具だもんよ。まぁ、おとなしく買い換えるこったな」
しょぼくれたフイゴの様子が面白い。でも、励ますようにポンと腰を叩いてやる。
フイゴ 「そうすらぁ…」
ため息を吐くように。
ビーッビーッビーッ(SE:モグラが上がる合図のブザー)
ヨク 「お、来るぞ」
坑道へ続く扉が開く。関係者以外の落下を防ぐため、モグラが入ると厳重に閉まっている。エレベーターみたいな扉。
ゴー−−−−−−−−−−(SE:エレベーターのようなものが上がってくる音)
ナレ 「開いた扉から、レールに乗って五両編成のトロッコが着いているものが出てくる。
 先頭には運搬艇に良く似た乗り物が着いており、それで五台のトロッコ的なものを引っ張る仕組みだ。
 鉱石のたくさん詰まったトロッコの左右には、わずかな足場には十五人ぐらいのモグラ衆が捕まっている。
 皆、一様に色の濃いサングラスのようなものを掛けている。
 彼等は穴倉の中で仕事をするために、体がそのように順応してしまった為、目が光に弱いのだ」
フイゴ 「よぉ、とっつぁん。今日のアガリはどんなもんだぁ?」
ハシ 「おうおう、今日もタンマリ取れたからよぉ、高く買い取ってくれやぁ」
フイゴ 「モノ次第だがなぁ」
トロッコの中の鉱石を一つ採り、ルーペのようなもので覗き込む。
坑道入り口の扉の上にあるモニターには、トロッコなどの重さを差し引いた、鉱物のみの総重量が表示されている。
ハシ 「あぁ、そういやぁ、ヨクんとこの坊主、ドギルに行ってんだって?」
缶コーヒーのようなものを飲んで一息つきながら。
ヨク 「まぁなぁ、もうしばらくすりゃぁ、帰ってくるはずだがよぉ」
なんとも思っていないようで、実は心配で気が気ではない。
ハシ 「ソラの次期頭領にしちゃぁ、こりゃぁ遅すぎるぐれぇだがなぁ」
フイゴ 「ヨクは過保護だからな、セガレに対しては」
ヨク 「もうちょっと早くに行かせようとはしてたんだがなぁ…」
ハシ 「ハッハッハ! まぁ、ソラの一族はでっけぇソラフネを運んで、晴れて一人前だかんなぁ。
 これでおめぇも安心して隠居できるだろぉ!」
冗談めかして言う。そういうハシは、ヨク・フイゴの親世代。
ヨク 「そういうとっつぁんこそ、そろそろ倅どもに道譲ってやれよ。そろそろいい年だろ」
ハシ 「ハッハッハ! そいつぁ言いっこ無しだぜ」
ハシの座右の銘「生涯現役」
フイゴ 「おう、とっつぁん。今日はこの位でどうだ」
いろいろ調べて計算機で叩き出した数字を、ハシに見せる。
ハシ 「ん?」
その計算機を覗き込む。そして驚く。
「フイゴよぉ、馬鹿言っちゃいけねぇ! 一つ桁が多いぞ!」
フイゴ 「こっちゃぁ幾らあっても足りねぇんでな。受注は増える一方でてんてこ舞いさ」
ハシ 「ははー、上の連中、また何かおっぱじめるつもりだなぁ?」
ヨク 「アセキハとロギザが拗れたそうだ。とっつぁん、知らなかったのかよ」
ハシ 「ハハハ! 俺らモグラの連中は土ん中掘り進むしか頭にねぇからな、上で何が起こっても知ったこっちゃねぇさ」
実際、10年前の戦争の時も、モグラのほとんどは土の下に退避していたため、そんなに被害は受けなかった。
ヨク 「ま…フイゴよ、いつもの所に運んどけばいいだろ」
部下たちに指示を出し始める。
フイゴ 「おー、頼んだぞ。伝票はサンキリに渡しといてくれ」
ナレ 「ヨク率いる運び軍団の運搬艇は、トロッコから降ろされた籠を持ち上げると、次々に空へと飛び立っていく」


ヨクたちが飛び立ったのを確認して。
フイゴ 「とっつぁん達はこれからまた潜るのか?」
計算機などをポケットにしまいながら。
ハシ 「おうよ、新しい坑道を掘り進んでるとこでな、結構鉄鉱石やら何やらがゴロゴロしてんだ」
宝探しをはじめるように、ワクワクしている。
フイゴ 「じゃぁ、一山当てたらとっつぁんの奢りだな」
ハシ 「おうおう、楽しみにしとけよ」
モグラは、宝石なども掘り当てたりもする。なので結構お金持ち。その為、フイゴとかヨクは結構な頻度で奢られる。
「…ところでだ、フイゴ…おめぇに話とくが…」
フイゴ 「ん?どうしたよ」
ハシ 「…最近、うちの若いもんがな、俺らモグラ衆以外で、何処かから掘ってる奴が居るって言うんだが」
フイゴ 「なにぃ?」
訝しむ。ニビの街では、そういう採掘作業はモグラ衆にのみ許可が出されている事で、ハシが知らない「仕事」はないはず。
ハシ 「俺たちモグラの掘り方とは違う掘り方だそうな。奴ら滅茶苦茶な方法で掘ってるってよ」
フイゴ 「オサメの連中には言ったのかよ」
ハシ 「それがよう、オサメの奴らときたら、
 『街には防衛柵を設けているし、それぞれの一族の力で結界を張ってあるから大丈夫だ』の一点張りだ。
 俺らの言うことなんざ、聞く耳持たねぇでやんの」
フイゴ 「…もし掘ってくるとしたら、何が目的だ……」
ハシ 「知らねぇ…ただ言える事はよ?何の目的かは知らねぇが、誰かがニビの街に侵入しようとしてるって事だけだぁな」
フイゴ 「……解った、こっちでも少し探っといてみらぁ」
ハシ 「おう、頼んだぜ。あちらさん、あちこち爆破しまくってるみてぇでな、
 もしかしたらこの街の鉄に…いや、存続に関わる事に成るかも知れねぇ!」


〜ジオペの城〜
ナレ 「ちょうどその頃、ジオの作業場では、モニターに向かうジオペと、それを横から見ているヴィントの姿があった」
ヴィント 「…すっげぇ…」
目の前のモニターには、プログラミングの言語がものすごい速さでスクロールされている。
それはまさに「神速」と言った速さであり、ヴィントは目を輝かせている。
ジオペ 「このショートカットとこちらペースト集を使えば、プログラミングは簡単なものです」
仕事中に他者を受け入れている。今日のジオは若干機嫌が良いらしい。
ヴィント 「いや、そうだとしても…お前、そんなのまで覚えてるのかよ?!」
説明されたが、実のところ、ジオペはほとんどベタ打ちでやっていて、その速さと言うことに感銘を受けている。(コピペなどがまったく必要なし)
ジオペ 「……?」
ヴィント 「……すげぇ…!」
ジオペ 「…ヴィントもやってみてください。このソラフネのプログラミングは、ロギザ用です。
 言語も、ロギザの物を使っておりますが、私はロギザの言葉が苦手です。あなたの力を借りたいのです」
ロギザに少数存在する富豪からの受注のソラフネ。何かがあったらすぐに逃げ出せるように買い求めたらしい。
→基本的にロギザ用の物は、注文があれば翻訳機を使わなければジオペはできない。
←ヴィントはロギザ出身。
ヴィント 「……! 任せとけ!」
憧れのジオが、自分に仕事を任せてくれたのが嬉しくて堪らない。
自分に与えられた席に着いて、早速仕事を始める。
スパナ 「お、やってるね?」
お茶とお菓子を持ってきた。
ヴィント 「お姉さん、ありがと!」
ジオと一緒に働けるのは、スパナの口ぞえのお陰でもある。
スパナ 「しょうがないさぁ、ジオがあそこまで意思表示するなんて滅多にないからねぇ」
ヴィントにお茶を渡しながら、モニターに向かって作業を続けるジオペを見る。
「驚いたね、あんたもクミの仕事してたなんて」
ヴィント 「ま、実家がそうだっただけなんだけどね。ところでお姉さん」
スパナ 「何さ」
ヴィント 「街のはずれのガラクタ置き場あるだろ?クミ一族の集落の近くに」
スパナ 「あぁ、あれね…あれがどうかしたの?」
ヴィント 「あれさぁ、絶対ジオが作った奴だろ?俺、一目で解ったよ」
スパナ 「確かに、アレはジオが作って興味無くしちゃったりした玩具の山だけど…」
ヴィント 「いや、玩具なんかじゃねーよ。アレ…アレ発売したら、結構儲かるぜ?」
スパナ 「んー、どれの事を指してるのかよく解らないけど…まぁ、ジオが遊びで作ったものだし…」
ジオペ 「ヴィントが言っているのはもしや、人工衛星による人間探査機の事でしょうか」
一通り仕事を終えたらしく、立ち上がってヴィントのそばに来る。
ヴィント 「そうそう! それだよ!」
ジオペ 「確かに、アレは子供やお年寄りなどの迷子防止に役立つかもしれません。
 売り出せば、相当な売り上げが期待できるでしょうが、悪用される可能性が高いのです」
ヴィント 「悪用?」
スパナ 「あぁ…あれの事…。確かにね、最近、リューモウが段々ニビの街の製品のコピーを作るようになって、
 技術力も、ちょっとばかし上がって来たってうわさを聞くけど……」
ジオペ 「あの機械は、まだ改良の余地があります。悪用されないための、プロテクターなどを強化する余地が。
 私はあれを、子供やお年寄りの為以外に使われるのを、快く思いません」
つまりは、完成品ではないし、思索の段階だから、投棄したと言うことらしい。
ヴィント 「確かに…ね。
 ニビの街の製品は、『お利口さん』過ぎるんだよ。どの工程を見ても、誰一人手を抜いてないしな。
 俺ら外の人間が修理したとしても、大抵は紛い物にしかならねーもの」
ロギザの製品も、悪い訳ではないが…基本的に、ニビの街の製品は、いい意味でも悪い意味でも信用がありすぎる。
ヴィント 「俺の父ちゃんがさ、いつもぼやいてたぜ。『俺もニビの街に生まれてりゃぁなぁ』ってさ」
スパナ 「そりゃどうも…でも、あんたの父さんも、ロギザじゃ有名な技師だったんだろ?」
ヴィント 「あたぼーよ、国のお墨付きの機械工房さ。鉄だって自分たちで何とかしてる」
ジオペ 「ニビの街にはない製法を用いてます」
ヴィント 「そうそう、それそれ。だけどさ、唯一自慢できるのが独自の鉄と、殺傷能力の高さって言うのが悲しいところじゃね?
 しかも、ニビの街の製品を改悪した武器には適わないって言うところが、それよりももっと悲しいとこだね」
ジオペ 「…改悪…私たちが作った製品が、改悪されている…と言うのでしょうか」
ジオには珍しく、悲しそうな表情。
ヴィント 「あぁ、ロギザとかドギルには、そんな事する馬鹿はいねぇけどね。
 ニビの街とは同盟関係にあるし、そもそもニビの街の製品に信用を置いてるから、そんな事も考えないさ」
スパナ 「……だとすると……何処が?」
ヴィント 「んー、リューモウとかはね、それでもニビの街には敬意を十分払ってると思うんだけど、
 前に攻め込んだにしても、ニビの街自体を憎んでたわけではないし。
 問題はそのお隣さんだよね。シャウチャンだっけ。シャウチャンって国が、
 闇でニビの街の製品買い漁ってるって話…お宅は聞いてないの?」
スパナ 「……確か、ニビの街の製品ばかりを狙う窃盗団が居るとか居ないとか…そういう噂は聞いた事があるよ…」
ヴィント 「シャウチャンとニビの街って、もともと仲悪いじゃん?だから買えないからそうやってるらしいよ。
 俺、ロギザに居た頃に、シャウチャンから亡命してきた人に聞いたもん」
スパナ 「…なるほどね…だとすると…」


〜ニビの街地下〜
ナレ 「ニビの街の地下では、再びモグラ一族が作業を開始していた。
(SE:ズズズズズズズズ……/地面が揺れる音)
テヘン 「親父、何だ?!今の音…!」
ハシ 「ん…地震か…いや、違うな…」
先ほどのフイゴとの会話が胸によぎる。
物凄い地響きが中で起こっている。
ロッコ 「じいちゃん!揺れてるよ!」
ハシ 「みんな引き上げろ!!上にあがってふたを閉めるんだ!!」
トロッコにみんな急いで乗る。しかし、その中、ロッコだけは躊躇している。
テヘン 「ロッコ! 何してんだ! ロッコ! 早く乗れ!!」
ロッコ 「僕のツルハシ!! じいちゃんから貰ったツルハシ!!」
揺れている岩壁に刺さっていて抜けない。ハシが若い頃に使っていたツルハシ。
ハシ 「ロッコ!そんなのまたやるから、早く逃げろ!」
ロッコ 「いやだぁ! やだやだやだぁ!」
ハシ 「わがまま言うんじゃねぇ!」
可愛い孫に何かあっては遅いと、いつもからは考えられない速さでロッコの元まで走っていく。
ロッコ 「うわぁぁぁぁぁん!あのツルハシが良いんだ! 僕のツルハシ!」
ハシに抱えられても、ジタバタとツルハシの方に手を伸ばしている。
ハシ、トロッコまでロッコを運び、モグラの衆に載せて貰う。
テヘン 「よし、全速力で上へ行くぞ!!」
ナレ 「モグラ達を乗せたトロッコが加速を始めたその時だ」
(SE:ズズーーーーン!!/岩盤が崩れ落ちる音)
ナレ 「岩盤が崩れ落ち、その向こうに見えたのは、見慣れぬ集団であった…」